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2018.04.18
がん保険の効用に期待

【主張】4月3集(生保版)

 2018年初以降、新年度に向けて生保各社では新商品開発を発表している。そのうち、今回は「がん保険」をとりあげ、その効用について考察することとしたい。
 周知のとおり「がん」は、我が国の死亡原因第1位であり、2人に1人は「がん」に罹患する時代が到来していると言われる。「がん保険」は『がんに苦しむ人々を経済的苦難から救いたい』との思いから、アフラックが四十数年前に発売して以来、広く国民のニーズに応えられる様々な保障を開発、その後、業界他社も追随してきており、現在までに生保協会加盟の21社が販売しており、保有契約は2,400万件に達している。
 今春発売された「がん保険」のうち、アフラックの『生きるためのがん保険Days1』は、がんを取り巻く環境変化と課題を踏まえた上で、①4特約の新設、②給付金等の支払事由拡大、③特別保険料率の新設、④治療に伴う生活情報サービス、を導入している。
 これらの保障・サービス提供は、多年に亘りがん保険に関わってきた経験を踏まえたもので、がん治療を受ける立場からすれば必要とする保障が揃えられていると思われる。なお、業界初の「外見ケア特約」は、がん患者のQOL(生活の質)の向上に配慮した保障として高く評価されるものと思われる。
 また、チューリッヒ生命の『終身ガン治療保険プレミアムDX』は、2014年発売の『終身ガン治療保険プレミアム』の抗がん剤・ホルモン剤治療給付金では、保障の範囲外であった「欧米で承認された日本で未承認の抗がん剤」を保障するものだ。
 がん治療において、未承認の抗がん剤治療を受けた場合、治療に関わる費用は全て自由診療となり経済的負担が非常に重くなる現実がある。今回、その保障を提供することにより、これまで費用面から治療を諦めざるを得なかった患者に対して、希望の光を射すものと言えよう。
 がんの3大治療(手術、放射線、抗がん剤)の世界では、日々新たな治療法が研究されている。その中の抗がん剤治療において、国内未承認薬であっても効果が想定される場合、患者の立場からすれば公的医療保険制度の適用まで「待っていられない、すぐにでも使いたい」と思うのが本音ではないか。今回の保障を通じて、がん治療の選択肢を一層拡大した功績は決して少なくない。また、抗がん剤治療は、外見上の負担が大きくなるケースがあるとされる。そのような場合には、個室での入院を望む患者が多いことから「ガン長期入院時差額ベッド給付金」は、まさに時宜に適った保障提供の一つであろう。
 昨今、入院期間の短期化とともに通院治療が増加しているものの、がんの部位・治療法によっては長期入院せざるを得ないケースがある。生保各社が発売する「がん保険」では、あらゆる事態に対応できる幅広い保障の開発を望むところである。       (石原)

2018.04.11
スマホ向けアプリ「健康第一」が疾病リスクチェックツール提供開始

【週間の動き】4月2集(生保版)

 第一生命は、3月22日の新商品「ジャスト」発売と合わせて、健康増進をサポートする無料のスマートフォンアプリ『健康第一』に生保業界初となる新たなサービスを搭載するレベルアップを実施する、を発表した。同社では、顧客の多様なニーズによりきめ細かく応えられる「商品」と健康づくりを応援する「サービス」提供を通じて、顧客一人ひとりのQOL(=Quality of Life 生活の質)向上と「健康寿命の延伸」といった日本が抱える課題へ果敢に挑戦し、顧客に健康などの新たな付加価値を提供する取組みをより一層推進する。
 同社では、ナショナルセンターである5つの医療機関と包括連携協定を締結し、全国47都道府県と結ぶ連携協定等を通じて、地域の人々への健康・医療に関する最新情報の提供や予防啓発に取り組んでいる。
 今回の『健康第一』アプリのレベルアップでは、国立がん研究センターと同社InsTechプロジェクトチームとの共同研究の成果である「循環器疾患リスクチェックツール」の活用および国立国際医療研究センターとのパートナリングにより、5つの疾病について将来の発症リスクを確認できる機能を提供する。

1、生保業界初!5つの疾病リスクを同時にチェックする機能を全ての利用者に提供開始
 「将来のリスク」として重大な「がん」「脳卒中」「脳梗塞」「心筋梗塞」および「糖尿病」の将来の発症リスクを見える化する機能(疾病リスクチェックを、全ての利用者に向けて提供を開始する。国立がん研究センターと国立国際医療研究センターのリスクチェックロジックに基づいて、これら5つの疾病リスクを同時にチェックできるスマートフォンアプリは生保業界初となる。

2、現在の健康年齢、健康タイプを知り、アドバイスを得られる機能を全ての利用者へ開放
 同社契約者およびその家族向けに展開していたプレミアムメニューのうち、健康診断をスマートフォンで読み取って健康年齢・健康タイプを知ることができる「My健診アドバイス」を、誰でも利用できるスタンダードメニューとして提供を開始する。

3、既往歴に応じた生活改善レシピを提供開始
 糖尿病、心疾患、高血圧、脳卒中、腎不全、肝硬変といった既往歴を選択すると、それぞれの既往歴に応じたレシピを提供し、気をつけるべき栄養素を意識しながら食習慣の改善を支援する。また、既往歴は複数選択することも可能で、それぞれの優先度に応じたレシピを提供する。

4、対応ウェアラブルデバイスの拡大
 歩数計測機能で連携利用できるウェアラブルデバイスの対応デバイスに、ムーヴバンドおよびOMRON を新たに追加する。
 今回のアップデートにより、Fitbit, Jawbone, Misfit, Silmee, PULSENSE, ムーヴバンド、OMRON と全7メーカーへ連携対応を拡大する。
●『健康第一』の開発概要
 InsTechでは、顧客に最良のサービスを提供できるようエコシステムを形成し、ベンチャー企業、ベンチャーキャピタル、先進技術企業などが持つ先端技術情報を幅広くタイムリーに収集・分析し、取り入れている。
 2017年3月の提供開始、同年10月のレベルアップに続き今回のレベルアップにおいても、「顧客の健康増進」をテーマに集結した、さまざまな業種・業態の企業とのパートナリングにより、サービス開発を行った。

2018.04.04
名実ともに日本の生命保険会社に

【オピニオン】4月1集(生保版)

古出 眞敏 氏(談)
(アフラック生命保険株式会社 代表取締役社長)
 弊社は、2018年4月2日に、前身であるアメリカンファミリーライフアシュアランスカンパニーオブコロンバス(以下、「旧会社」といいます。)から日本における事業を譲り受け、「アフラック生命保険株式会社」として新たなスタートを切りました。これもひとえに、お客様をはじめ、ビジネスパートナー、株主、社会などといったすべてのステークホルダーの皆様によるご理解とご支援の賜物であると、感謝申し上げます。
 1974年、旧会社は、日本で創業し、まだがんが「不治」の病として口に出すことさえはばかられた時代に、日本で初めて「がん保険」を発売しました。以来、「がんに苦しむ人々を経済的苦難から救いたい」という創業の想いを大切に受け継ぎながら、がん保険をはじめとする第三分野保険の普及を通じ、多くのお客様の「『生きる』を創る」というブランドプロミスを実践してまいりました。おかげさまでお客様をはじめとするステークホルダーの皆様から多くのご支持を頂戴し、現在では2,400万件(2017年末時点。2018年4月2日に旧会社から弊社が承継。)におよぶご契約をお預かりするまでに社業を拡大することができました。
 私たちは、この度の日本法人化を「第二の創業」として位置付けています。新会社においても、これまで大切にしてきた創業の想いやブランドプロミスなどのコアバリュー(基本的価値観)をしっかりと引き継ぎ、自由な発想や多様な価値観のもと、イノベーションを創出するとともにビジネスフロンティアを広げることで、新たな価値を創造することに全力を尽くしてまいります。そして、お客様の「『生きる』を創る」リーディングカンパニーを目指してまいります。
 今後は、名実ともに日本の生命保険会社として、より一層日本の社会に根ざし、これまで以上にお客様のお役に立てるよう一層の経営努力を重ねてまいりますので、変わらぬご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。 (文責・記者)

2018.03.20
株式価値向上WG参加会社による集団的エンゲージメントの実施

【週間の動き】3月4集(生保版)

生保協会は、企業と株主が建設的な対話を通じて双方の課題意識を共有することが、中長期的な企業価値向上に向けた企業の取組みを促すとの考えの下、「株式価値向上ワーキング・グループ」を設置し、上場企業・機関投資家を対象としたアンケート調査に基づき、上場企業・機関投資家双方への要望事項を毎年公表している。
 今年度は、従来の取組みに加え、平成29年5月に日本版スチュワードシップ・コードが改訂されたこと等を踏まえ、スチュワードシップ活動の実効性を更に高めるため、ワーキング・グループにおいてスチュワードシップ活動に関する研究活動を行っている。
 研究活動の一環として、ワーキング・グループに参加している生命保険会社10社が、協働で企業に対して課題意識を伝え、企業の取組みを促す「集団的エンゲージメント」を実施する。具体的には、株主還元(中長期的な配当性向30%以上等)、ガバナンス(社外取締役の選任等)、情報開示(経営計画の公表等)の観点で対象企業を選定(東証一部上場企業のうち約100社)し、改善を促す書簡を送付する。また、必要に応じて対面による対話も実施させて頂く予定としている。
 なお、ワーキング・グループでは、参加各社の取組事例の共有のほか、他の機関投資家や発行体企業との意見交換も実施しており、平成30年4月を目途に今年度の株式価値向上に向けたアンケートの調査結果や要望とあわせて、研究活動の概要を公表する予定としている。
平成29年度株式価値向上ワーキング・グループ参加会社は以下のとおり。
 朝日生命、かんぽ生命、住友生命、第一生命、大同生命、太陽生命、日本生命、富国生命、三井生命、明治安田生命

2018.03.14
新たな協同組合の連携組織がスタート

【オピニオン】3月3集(生保版)
和田 寿昭氏(述)
(日本協同組合連絡協議会(JJC)幹事長代理日本生活協同組合連合会 専務理事)

 日本協同組合連絡協議会(JJC)は、これまで国際協同組合同盟(ICA)に加盟する国内の協同組合団体の緩やかな協議体として、1956年から活動を進めてまいりました。
 今日、それぞれの協同組合の置かれている事業環境が変化しており、より良いくらしや仕事づくりが地域社会で求められている中で、協同組合という社会的・経済的システムが日本において積極的な役割を果たしていくために、今後、何をすべきかについて議論してまいったところです。
 第二次世界大戦後の日本社会に、協同組合は大きく広がりました。業種や分野は違えども、人々が自発的に集まり、互いに助け合う組合員のニーズを、事業を通じて実現していく組織です。同じ理念、同じ志を持った協同組合同士だからこそ、地域社会が困難に直面している時期に、力を出し合い不足している部分を補いながら、地域の課題に向き合っていこうとJJCにおいて話し合ってまいりました。
 地域の課題は、協同組合だけでできるものではありません。幅広く連携を進めていくことが大切です。その中で、まず協同組合同士が連携し、地域の皆さんと一緒に活動していくことを呼びかけていきたいと考えております。
 新しい連携組織の名称は、日本協同組合連携機構(JCA)に致しました。活動のテーマは、持続可能な地域のよりよいくらし・仕事づくりに協同組合が連携することで、貢献することにしています。
 今後のJCAの活動は、第1に地域での連携で協同組合の役割を発揮しようということで、全国地域で協同組合間の連携を強化。第2に協同組合の活動や政策を国内外に発信していくこと。第3に協同組合の職員の教育や協同組合に関する研究を進めることです。
 協同組合が日本、世界に果たす役割をさらに広げていくことも可能と思います。日本社会で国民のくらしの向上に果たす協同組合の可能性を、より広げていこうと決意を固めているところです。

(2月27日の記者会見より要約)

2018.03.08
お客様のニーズにソリューション提供

【オピニオン】3月2集号(生保版)
アナ・マニング氏(述)
(RGA社長兼CEO)

 私たちが将来について、どのような予測をし、また現在起きている様々な変化に対応して、私たち自身が進化していくこと、それをどのようにうまくできるかによって、業界全体の成功が決まるものと思います。
 私どものビジネスの全ての側面で複数の変化が起きていると思っています。どのような変化の力が動いているのかを考えてみたいと思います。
 消費者においては、シンプルでわかりやすく透明性がある商品に対するニーズが伸びています。また、様々な販売チャネルが登場してきています。
 商品面について考えますと、長寿化が進展し余命は延びていますが、健康状態に問題を抱える人も多く見られ、様々なニーズが現れてきています。そのような状況下において、データの活用、テクノロジーの利用、医学の進歩や科学的なリサーチ等が一緒に起きています。
 グローバルなレベルで考えてみますと、国際化が進展し、業界における統合も起きます。また法規制の厳格化も見られ、変化に次ぐ変化が続々と起きています。
 RGAは、変化の力にどのように対応していくのか、ソリューションを考えて実現していきます。また同時に、長期的な付加価値を皆さんにご提供するにはどうしたらよいかについてお応えしようとしています。RGAにとりまして、イノベーションは常に重要なバリューです。それに基づいて私どもは成長を維持し、成功を続けることができると思っています。
 私どもは、商品アイデア、販売チャネルあるいはビッグデータの活用などに取り組んできて、直面している変化の力にどのように対応していけばよいかを考えようとしています。また、業界の新たなニーズに応えていくために、お客様それぞれにオーダーメイド型のソリューションを提供できるような、長年培ってきた能力を更に進化させようと努力しております。

(「新年を迎え感謝の夕べ」での挨拶から要約)

2018.02.28
2名の学術研究と生保会社の貢献

【主張】3月1集(生保版)

 標題は、取材を通して知り得た研究者の実績とそれに関連する生保会社の貢献について、取りあげるものである。
 その内容は、本紙2月2集号14頁ニュース欄「大同生命:サイバーダイン社新製品寄贈セレモニー」及び3月1集号19頁メディカルア・ラ・カルト「サイバニクスから生まれたロボットスーツHAL」で紹介した筑波大学大学院システム情報工学研究科教授・サイバーダイン㈱社長の山海嘉之氏と国立病院機構新潟病院院長の中島 孝氏による研究である。
 去る1月13日に開かれた一般市民向け報告会「サイバニクスと共にある未来」で、両氏の研究の一端を聞く機会を得た。会場には、治療を受けている患者団体と家族等が出席、難治性疾患を含めた障害者の方々の懸命に生きる姿を目の当たりにしたことで、改めて共に支えあう重要性を教えられたところだ。
 両氏の報告に共通する思いとしては、ロボットスーツHAL(生体電位駆動型下肢装着型補助ロボット)を例にとるならば、脊髄疾患等の方々など、HALが登場する以前では一生涯寝たきり状態になるケースが多かったことが、これを装着することにより、その力を借りながらも一人で歩行することが可能になる姿が映し出された時は、決して寝たきり患者のままにさせないという強い信念が感じられる。
 また、HALには成人用だけでなく小児が使用できる型も開発され、交通事故で下半身麻痺となった児童が装着することで下肢が動いた様子は、児童本人とその家族に計り知れない喜びを与えたものと思われる。
 大同生命では、昨年7月からHALによる難病治療を保障する「HALプラス特約」を販売している。同社がこの特約を開発することとなった経緯は先の2月2集号に掲載しているが、業界に先駆けて未知の分野への保障を提供した、その決断は高く称賛すべきものと言えよう。
 同社は、サイバーダイン社の新製品「Cyin(サイン)TM福祉用」(発話や身体動作が困難な方でもさまざまな環境制御機器の操作を可能にするコミュニケーションや使用者の能動的活動を支援するデバイス:1月10日付リリース)を患者団体・患者支援団体に寄贈し、難病患者の方々のコミュニケーション支援を実施、当該団体から感謝されている。 現在、これらの治療機器は、患者一人ひとりの家庭で使用するまでには至っていない。これに対して、患者団体から早急にその使用を望む声が示されていたが、在宅介護の増加が一層見込まれることからも関係機関において、弾力的な対応が求められる。
 高齢化の進展が避けられない我が国で、山海・中島両氏の研究成果を通じて、機器の利用希望者にとって、より使い勝手の良い環境となることを期待したい。同時に、大同生命は引き続き障害者支援を表明している。その経営姿勢に改めて敬意を表したい。 (石原)

2018.02.22
ジャストインケースの挑戦

【主張】2月4集(生保版)

 保険とテクノロジーの融合である「インシュアテック」という言葉は、日本の保険業界でも広く知られるようになった。
 ところが、日本のインシュアテックは海外より数年遅れているという識者の声をしばしば耳にする。確かに「A社が健康増進活動の成果を保険料等に反映する新しい商品を開発」「大手損保グループB社が米シリコンバレーに拠点を置き、インシュアテックを推進」など、大手保険グループによる取り組みが活発化する一方、「トロブ」「レモネード」といったスタートアップ企業が次々に台頭する海外に比べると、既存の保険ビジネスに破壊的創造をもたらす存在となるスタートアップの動きは目立たない。
 そのようななかで、少額短期保険の枠組みを活用したインシュアテックサービスの提供を目指すスタートアップ企業が現れた。
 ジャストインケース(justInCase)社はアクチュアリーやデータサイエンティストなど専門技術を持つメンバーが立ち上げた会社で、ウェブサイトをのぞくと、「アプリで必要な補償を必要なときに気軽に選べる世界の実現を目指します」「よりオープンな新しい保険の仕組みのもとに、気軽に安心を得られる未来を作ります」などとある。
 第1弾の「スマホ保険」はスマートフォンの画面割れ・水没・破損等の修理費用を補償するもの。AIを活用して事務処理を自動化するほか、スマホ利用の安全度合いをAIが判定して更新時の保険料に反映したり、友達プール機能により不正請求を防いだりと、詳細は不明だが、随所に最新技術を取り入れ保険料の最適化を実現するそうだ(2月1日現在、少額短期保険業者の登録準備中)。
 スマホ修理費用の補償としては、アップルケアや携帯会社が提供するサービスのほか、「モバイル保険」を販売する少額短期保険会社が登場しているとはいえ、大手が参入していないニッチ分野と言える。
 保険としてだけとらえると、果たして数万円単位の損失に毎月保険料を支払って備える必要性があるのかという見方もできる。しかし、インシュアテックによってスマホユーザーに新たな価値を提供できるかもしれないし、そもそも同社がスマホ保険の専門会社としての成長を目指しているとは考えにくく、ニッチ分野で培った経験をもとに、ニッチではない分野への進出を図っていくのだろう。
 同社が少額短期保険の枠組みを活用するというのも興味深い。少額短期保険制度はもともと根拠法のない共済の受け皿として創設されたという経緯があり、通常の保険会社に比べると設立のハードルは低い。既存の生損保が手掛けてこなかったユニークな商品提供のほか、顧客基盤を持つ異業種からの新規参入も目立っていたが、同社のように新しいビジネスモデルのいわば実験場として少額短期保険を活用するというのは、うまくすると日本のインシュアテックの一つのモデルケースとなるかもしれない。
(客員・植村)

2018.02.16
データサイエンス分野の発展に貢献

【オピニオン】2月3集(生保版)
角 英幸氏(述)
(公益社団法人 日本アクチュアリー会理事長)

 IT研究会は、6つのグループに約80名の委員・メンバーの参加をいただいております。今回の「IT研究大会」に向けては、昨年の3月下旬に研究を開始し、ミーティングを重ね、準備を進めてこられたと聞いています。みなさんの、熱心な取組みに対して、御礼申し上げます。
 アクチュアリー会は、伝統的な分野で、約120年という歴史を積み重ねて参りました。一方で、社会・経済環境の多様化・洗練化・複雑化が進む中、アクチュアリーがそのスキル・ノウハウを発揮できる分野にも拡がりが見られます。
 一般に様々な領域で、データサイエンスの取組みが行われておりますのは、ご案内のとおりです。インターネットの普及からはじまり、IoTデバイスの進化に伴って、大量のデータが生成・蓄積され、そのデータの活用がビジネスの変革とチャンスをもたらしています。
 こうしたデータサイエンスの技術は、いずれも統計学を基礎としており、アクチュアリーにも非常に親和性が高く、その専門性が発揮できる分野です。アクチュアリー会として、重要な役割を担い、この分野の発展に貢献することで公益に寄与したいと考えております。
 アクチュアリー会の120年の歴史を紐解きますと、理論的・学術的な研究を基礎としつつ、実務的な課題にチャレンジしてきましたが、システム・ITの研究もその1つです。昭和30年代には多くの会社で電子計算機の研究が行われ、導入もされて行きました。
 現在のBIG-DATA時代の到来は、まさに、当時と同じような大変革期と言えます。技術革新により、人々の生活様式が変わり、企業のビジネスの在り方を変えていきます。時代の変化に対応するだけでなく、むしろ、新しい情報・提案を発信していきたいと考えております。
 (平成29年度IT研究大会での挨拶から要約)

2018.02.06
第54回金融トラブル連絡調整協議会を開催

金融庁は1月11日、「第54回金融トラブル連絡調整協議会」(座長・山本和彦一橋大学大学院法学研究科教授)を開催、「各指定紛争解決機関の業務状況(平成29年度上半期)」および「高齢者・障害者事案への対応」、「金融サービス利用相談室における相談等の受付状況」、「金融ADR連絡協議会(第12・13回)」の概要報告を行い、討議した。
 今回は、指定紛争解決機関の阿部全国銀行協会金融ADR部長、酒巻生命保険協会生命保険相談所事務局長、村田日本損害保険協会損害保険相談・紛争解決サポートセンター本部長、小野保険オンブズマン専務理事、小泉日本少額短期保険協会専務理事ら7氏が報告した。
 協議会では、生保、損保、保険オンブズマン、少短など8指定紛争解決機関の業務実施状況「平成29年度上半期苦情処理手続実施状況」について事務局が概要報告を行った。それによると、①苦情処理手続受付件数は8機関合計で3549件、対前期比13%減少。機関別では、全銀協とFINMAC(証券・金融商品あっせん相談センター)共通で市場の落ち着きにより市場性商品の苦情が減少した。損保協会は交通事故の減少により保険金の支払事由が減少した。全銀協は、このほか住宅ローン、消費者ローンなど貸金業に関する苦情も減少した。
 ②苦情処理手続結果は8機関合計で3646件、77%の解決をみた。これは、前年同期とほぼ同水準(4195件、75%)。
 ③苦情処理手続終結に要した期間は、1月未満で解決した件数は1246件で34%、1月以上3月未満で解決した件数は1296件で36%、全体の7割、2542件は3月未満で終結し、前年同期と同水準(2972件、71%)。
 ④29年度上半期の紛争解決手続受付件数は8機関合計で576件、前年同期に比べて9%減少した。
 ⑤29年度上半期の紛争解決手続の結果(終了事由)は8機関合計で251件(和解207件、特別調停44件)、和解成立割合は42%(和解35 %、特別調停7%)で、28年上半期と同様の傾向(和解+特別調停270件、42%)。
 ⑥29年度上半期の紛争解決に要した期間は、1月以上3月未満が147件で25%(前年同期24%)、3月以上6月未満が286件で48%(前年同期48 %)、合わせると73%(前年同期72 %)で、28年度上半期と変化は見られない。
 ⑦29年度上半期の各指定紛争解決機関別和解状況は全体で42%、前年同期と同様となった。内訳は、全銀協が57%、生保協会が28%、損保協会が41 %、保険オンブズマンが77%、日本少短協会が40%。
 苦情処理手続の終了事由別の内訳件数のうち「その他30件」について説明を求められた酒巻事務局長は、「苦情段階で解決が難しい案件については紛争解決手続に移行する申立書を送付するが、申立書を送付したのち1か月以上経過したものの連絡が得られないときは一旦苦情処理手続を終了する。その後申し立てがあれば受理する前提で、その他として扱っている」と回答した。
 高齢者・障害者事案への対応について、村田損保協会紛争解決サポートセンター本部長は、「利用者へのアクセスの確保策として、ホームページの工夫や事務所のバリアフリー化に取り組んでいる。相談受付体制のあり方として、電話や文書、面談等の方法も採用し、幅広く対応するよう心掛けている」と回答、高齢・障害・健常者を区別することなく対応する基本姿勢を示した。
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