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2016.03.03
安心社会への提言

【主張】 3月1集号(生保版)
安心社会への提言
 今年の筒井協会長の年頭所感で安心社会実現への寄稿を読んで私なりに提言する。NHKの朝の連続ドラマ“あさが来た”で、大阪商人の心意気を知り、安心社会への実現を商売から考えることとする。
 安心は個人の心、社会は共同体であり、インフラ(基盤)のサポートである。インフラには2つの役割があり、一つは個人が保険を購入する上での制度の整備、二つ目は個人ではできないことを社会全体でサポートする仕組みである(社会保障)。安心社会の構築には、環境の変化を前向きにとらえて、変化に適応する社会でなければならない。個人の側からみる死亡リスク、病気に罹るリスク、年を取るリスクに備える一元的な(民間と行政)仕組みが必要とされる。
 筆者は、保険業務を支える情報技術を専門としており、その分野での提言をさせていただく。一元的な仕組みを構築するには単に契約を管理するのではなく、情報を活用することが、民と官の情報をどちらも使えることになり極めて重要である(そのための標準の課題は割愛する)。
 たとえば、医療の情報は医療機関に、遺伝子解読と医療への活用(遺伝子解読は数年前には数万ドルが現在千ドル、近い将来三百ドルになる見込み)など最新技術と薬品の利用は、前記三つのリスクに大きな影響をあたえることとなる。これらは保険料設定、商品開発などの査定にとっては必要不可欠な情報である。なお、情報が各社ごと・業界ごと・機関ごとに孤立していることは、個人の安心、リスクの軽減には、大きな損失と思われる。このことは単に個人のプライバシーの問題ではなく、社会の問題・課題である。是非、情報データベースの構築を進めるべきである。
 構築した情報の利用については、現在情報が断片になっているように、人材が専門化し、分離しているため、情報利用の人材育成が急務である。第一生命が1月上旬に明らかにしたInsTechの取組みは大変刺激的な話である。米国では保険会社で保険だけの技術に限る必要がないので、金融という切り口で動いている。また、情報データベースの共有と利用がかなり柔軟といわれる。しかし、米国でも人材育成が焦点となっている。従来のIT業務の人材では対応できなくなる。いずれ日本でも起こると思うが、米国ではFinTech人材を育成する会社が誕生している。米国生保会社に勤める友人からの知らせによると、同社では人材育成会社と提携して技術および業務の専門家で討議しているという。
 日本は特殊な状況におかれ、現在のシステム部門だけでは対応できないのではないか。経営者自身が意識改革し、業界全体が情報技術維持のための投資を実施しなければ、契約者に満足な還元ができない業界になろう。安心社会を作ることは、情報技術利用が変革することが重要である。   (客員・佐藤)

2016.01.26
平成27年版 損害保険統計号 発売中!

損保各社の決算に基づく契約・収支・資産状況を網羅したわが国唯一のデータブックの決定版。保険料、保険金、営業店舗・代理店数、貸借対照表、会社沿革など、総合編・会社編・資料編の3部構成で、各社の事業内容が詳細に分析できる。損保社員のみならず、企業調査関係者、保険会社選びにおいても必携の一冊!

2016.01.15
注目すべき新年の課題

【主張】1月2集(生保版)

 平成28年の幕が開けた。昨年来の様々な検討課題があるなかで、ここでは昨秋以降に本紙1頁「オピニオン」に掲出した幾つかのテーマについて、今後の見通し(展望)を考察することとしたい。
 10月号第1集:子会社「プルデンシャル信託」を設立(プルデンシャル生命・阪本浩明氏)では、従来の受託要件を緩和し、同社の死亡保険金であれば多寡にかかわらず信託契約を付加できるとしている。これにより、契約者の受取人に対する思いに応え、保険金をめぐるさまざまな問題の解決に道を拓くことが可能となったものと思われる。多くの会社で、同様の措置が早急に実施されることを望みたいところだ。
 10月号第2集号:「働くわたしの医療保険」を開発(第一生命・田仲 央氏)では、団体向け商品として、この1月から発売開始したものだ。従業員50人以上では、ストレスチェックが義務付けられるなど、健康増進・疾病管理等の福利厚生制度に対する企業のニーズは年々高くなっているが、保障内容を充実し、スケールメリットを活かして低廉な保険料を実現した、従来の共同引受とは一線を画した今回の商品がどのように普及していくかが課題となろう。
 11月号第4集:「未来デザイン1UPを発売」(住友生命・内海 信氏)では、死亡保障と生存保障(就労不能保障)を分離し、合理的な保障を準備できる商品として開発したものだ。これまで一部の会社で取り扱われてきた就労不能保障に対して、同社では死亡保障、医療保障の先にある新たな市場と位置付け、注力することとしている。同社の展開により、この保障分野が如何に活性化していくか関心が持たれる。
 12月号第1集:保険流通サービスのトップブランドへ(ライフサロン・大寄昭生氏)では日本生命が出資した乗合代理店「ライフサロン」とニトリホールディングスによる新たな保険ショップ「ニトリのほけん+ライフサロン」を全国のニトリ店舗内に設置していくものだ。昨今、自分で保険を選びたいと思う若年層やニューファミリー層の増大している実態を踏まえ、この新店舗がどのようにそのニーズを的確に把握し応えていけるかが注目される。
 12月号第3集:同性パートナーを受取人指定可能に(ライフネット生命・岩瀬大輔氏)では、死亡保険金の指定範囲を拡大し、同性パートナーも受取人に指定できるものだ。この取扱いは、東京・渋谷区をはじめとした社会の認識が変化してきたことを見据えたもので、10月末のニュースリリース発表以来各メディアや当事者を含め高い関心が寄せられている。保険業界では、多くの会社でダイバーシティの推進を標榜しているが、同性パートナーに対する社会の受容度の変化を考慮したうえで、真摯に検討してもよい時期が到来しているのではないか。     
                                       (石原)
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