公共サービスイノベーション【主張】10月2集(生保版)

公共サービスイノベーション
 先月総務省は、公共サービス改革基本方針の一部変更に係る情報公開の要請の受付を開始した。経済再生と財政健全化の双方を推進するカギとして3つの「公的サービスの産業化」、「インセンティブ改革」、「公共サービスのイノベーション」が求められる。このうち「公共サービスのイノベーション」とは?公共サービスに対する需要・供給構造に関する情報や地域間、保険者間の差異に関する情報等の「見える化」を進めること、②公共サービスに係る業務の簡素化・標準化、先進的な取り組みの普及の展開を目指している。
「公共サービスのイノベーション」を推し進めるにあたって保険会社にとっても馴染みのある政府が運営する行政情報のポータルサイト(各省庁の行政手続きを電子化したE-GOV(イーガブ「電子政府の総合窓口」)が今後どう改善・改革されるのか期待される。
 身近なオンライン申請として国税庁の国税電子申告・納税システム(e-tax)や、法務省への登記・供託オンライン申請システムなどがあるが各府省の電子申請システムなどを更に統合することで、ワンストップで複数の行政手続きが行えるようになろう。
 世界銀行が毎年発表するビジネス環境ランキングによると、法人設立、建設許可、不動産登記等各10項目についてOECD35か国の中で我が国は総じて依然低い評価である。
 2018年にマイナンバーカードの交付を開始しマイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン機種数を拡大中であり、民間業者も政府システムAPIと連携したITサービスを提供し、必要な書類作成支援サービスが提供されている。各府省で共通の業務を1つのシステムで管理するようになれば、複数の府省で重複した業務を行う必要がなくなるため、処理の時間や人材コストの削減などが見込める。ただし省庁間のシステム連携が未だ十分とは言えず一層のプラットホームの改善が望まれる。
 我々にとって憲法や法律、政令に勅令、規則など現在日本で実効力を持っている「法令」をオンライン上で簡単に調べることができ、また検索機能を使えば、行政手続きが簡単に表示される。他にも各府省の予算情報や、公文書の情報、独立行政法人や特殊法人に関する公開情報等、施設に出向かなくても簡単に情報を仕入れることや、あちこちで申請・手続きをしなくとも自宅のパソコンで24時間手続きをまとめて済ませることができ、ガイダンスへのリンクも貼られていてわからないこともワンストップで調べられる。
 e-Govではインターネットを通じて、各省庁が実施している「パブリックコメント」の制度を利用し、メールで各府省の政策についての意見や要望を伝えることも可能となっている。より手軽に国民が直接政府に意見を提出でき利用者である国民側や運営者である政府側の双方にメリットのある取り組みであり、より便利により効率的に政府が運営できるよう更なるシステム整備が必要とされる。
       (客員論説委員・原口典之)