郵便局の有効活用を望む【主張】3月1集(生保版)

郵便局の有効活用を望む
 今回の標題は、周知のとおり先のかんぽ生命による不適切販売に係る調査結果及び金融庁からの行政処分、そして1月末に示された郵政3社による業務改善計画を踏まえて考察するものである。
 不適切販売の原因・背景としては、①過度な営業推進態勢、②コンプライアンス・顧客保護の意識を欠いた組織風土、③脆弱な募集管理態勢、④ガバナンスの機能不全が挙げられており、改善計画書において、各項目ごとに対応策の推進を図ることが記されている。来る新年度より、各施策を全役職員が一丸となって実行することで、信頼回復に努めて貰いたい。個々では、その一環として全国二万四千局に及ぶ郵便局の有効活用を望むものである。
 郵便局は、高齢者層にとって従来より高い信頼を寄せる金融機関と位置付けられている。殊に、山間地域では、生活基盤の拠り所と認識されている局もあり、地域住民にとって必要不可欠な生活拠点の一つであることには変わりないと思われる。
 本紙(生保版)の客員論説委員である平野浩氏(元明治生命)は、毎週連載の「マネジメントガイド『いま、改めて問う!保険営業はどうあるべきか』」において、かんぽ生命の行政処分に至った営業手法に対し厳しい批判を展開されている。その根本原因を訪問営業にあるとし、店舗営業(集客)への転換を図るべきとの主張は、傾聴に値する。
 新年度を迎えたとしても、それまでの郵便局に対する信頼が高かったことへの消費者からの反感は、相当なものが考えられる。当面、契約調査の徹底により、不利益を被った契約者への補償(現状復帰)を最優先課題に取り組みつつ、一方で保障を望む方々には、真に役立つ商品の提供が求められる。
 嘗て、生保営業に関する取材活動を通じて集客が必要なことを耳にしたことがある。1つは、銀行窓販セミナーでメガバンクの役員から、生保販売が銀行にとって重要な収益分野となっていること、その上で一時払(貯蓄性)商品だけでなく今後は平準払商品や若年層にも顧客として来訪頂きやすい店構えにする必要があると語ったこと。もう1つはタワーマンション(部外者の立入りを厳しく制限)が林立する地域での来店型店舗において、当該住民へ同店舗に関心を持って貰うべく様々な催しに注力しているというものであった。いずれも置かれた市場環境の中で、如何に顧客開拓を図るか賀印象に残っているが、今後、全国に点在する郵便局で、相談機能を充実させた拠点化が必要になるのではないか。
 新契約募集停止の間に、今までの悪弊を断ち切り、生まれ変わったかんぽ生命として保障提供の役割を果たしてほしい。そうでなければ、郵政グループ会社の株式売却の道筋が不透明なままとなり、引いては、生命保険協会の主張する「公平な競争条件の確保」は一層遠のくことになるからだ。郵政グループの総力を結集して、契約者からの信頼回復の達成に期待したい。        (石原)