本格化する通信×金融の連携【主張】8月1集(生保版)

本格化する通信×金融の連携
 今回の標題は、去る5月上旬に発表された『「+メッセージ」を活用した共通手続きプラットフォーム「AIRPOST」構築」』について、その意義を考察するものである。
 この共通手続きプラットフォームは、昨年4月に日本生命や東京海上日動など金融5社及び携帯3社とトッパン・フォームズが検討開始に合意していたもので、およそ1年をかけて「AIRPOST」を構築、顧客向けにサービス提供を開始することとしている。
 「AIRPOST」は、従来顧客が企業ごとに行っていた様々な手続きを共通化し、高いセキュリティで安全・安心して利用できるワンストップサービスで、携帯3社が提供する「+メッセージ」との連携により、顧客の利便性向上や参画企業の業務効率化が実現するものである。オープンプラットフォームであることから、昨年の立ち上げ時より5月時点での参画(検討)企業は合わせて31社と拡大してきている。
 具体的なサービスとしては、年内までに口座振替ワンストップ登録申込み、住所変更等一括諸届対応等を予定している。そして翌年以降は、災害時に発生する各種の手続きや行政手続き、マイナンバーカード活用の個人認証サービスなど、幅広い機能の拡充が見込まれており、非競争領域である業務や事務の共通化により、顧客・参画企業を含めた社会全体の効率化に繋がることが期待されている。従って、全ての本邦金融機関の早期参画が望まれるところだ。
 保険事業に絞って見ると、昨年4月の「+メッセージ」機能拡充に関する説明会に出席した2社の担当役員からは、『損害保険では、お客様は煩わしい手続きは簡単に、専門性の高い保険相談は保険代理店を通じてやって欲しいというニーズがある。このニーズにどう対応するかが課題で、デジタルとリアなチャネルのニーズを最適に融合することで、UX、CXを高めたい』『生命保険の手続きは煩雑で分かり難い結果、手続きのデジタル化についてもハードルが高い。この認識のもとに、「+メッセージ」の取組みも参画させていただいた。業界の垣根を超えた共通プラットフォームでお客様がワンストップで完了できるのは大変な利便性を提供でき、お客様との接点という課題を解決するものと期待を寄せている』とそれぞれ表明した。
 説明会から1年を経過し、本年後半以降にサービス提供が始まることになる。今般のコロナ禍により、多くの産業界においてデジタル化をいかに構築するかが喫緊の課題として挙げられているが、保険業界では、とりわけ営業推進に関して、顧客接点でのリアルとデジタルの融合が焦眉の急となっている。
 このような状況下における「AIRPOST」参画企業にとっては、活用度合は自ずと高まることになろう。今後のサービス提供の在り方に注目していきたいところである。 (石原)