「見守り運動」の推進を望む【主張】11月3集(生保版)

「見守り運動」の推進を望む
 コロナ禍の影響を踏まえて、生保各社では営業手法の見直しを図っている。殊に営業職員を擁する会社において「オンライン面談」「リモートでの申込み」など、非対面での手続きが可能となり、コロナ以前とは様相が一変しているが、今回の標題は、地域の安全を見守る運動(以下、「見守り運動」)の意義を考察する。
 この見守り運動とは、生保労連が2012年に取組みを始めたもので、「組合員の営業活動で外回りや家庭訪問の際、子どもや女性、高齢者に“目配り・気配り・心配り”を行い、異変に気付いた際に行政などへ通報することで、地域の安全確保に貢献する」というものである。
 各地域での担当エリアにおいて、日常の職務活動を通じた営業職員としては、平生ではない状況に遭遇した場合、速やかに自治体や警察に連絡することにより、結果的に地域の安全を守ることに繋がる。この取組みは、地域に根付いた活動を続けているからこそ、その“違い”に気付けるものであろう。このような地域住民へのさりげない気遣い、言わば陰徳は、決して目立たぬことであっても大いに評価できるところだ。
 また、生保会社としては、十数年前より大手会社を中心に各地方自治体と締結した連携協定において、高齢者への見守り活動が含まれており、現在では多くの自治体との連携協定がなされていることから、地域を見守る活動を今後とも推進することを望みたい。また、富国生命では、平成27年度より社会問題となっている「振り込め詐欺」被害防止に向けた啓発活動を各都道府県警察と連携し、営業職員が「振り込め詐欺被害防止アドバイザー」となって、安心して過ごせる地域作りへの貢献は、特筆すべきこととして記しておきたい。
 しかしながら、コロナ禍の現状を踏まえると、見守り運動の主役となる営業職員の活動制限が懸念されるところである。新型コロナ感染症の新規患者数は、今年度初めの緊急事態宣言下の時期よりは減少しているものの、専門家によると決して下火になっているとはいえない状況にあるという。生保各社では、感染拡大防止・顧客の安全を図る観点から、冒頭に掲げたとおり営業職員による対面募集だけでなく、非対面の申込み手続きを展開することとなったものだ。これによって、コロナ以前に比べ営業職員の活動自体について極端に減少することが想定される。
 我が国の少子・高齢化の特徴として、高齢独居世帯の増加が考えられる。9月中旬に発表された国民世活センターの資料によると、2019年度の消費者トラブルのうち、80歳以上が過去最高となり、周囲の見守りが重要であることを指摘している。現下の生保営業において、リアルとバーチャルの融合をいかに図るかが課題となっているが、人生100年時代を迎える中、「見守り運動」が引き続き社会貢献活動の一環として、位置付けられることを期待したい。   (石原)