創意工夫の1年に【オピニオン】1月1集(損保版)

オピニオン
 貝賀 滋
 本社・社長

 創意工夫の1年に

 100年前のパンデミック「スペイン・インフルエンザ」は終息するまで2~3年かかったが、「新型コロナ」の世界的な流行も長期化が予想される。
 金融庁が昨年12月11日に発表した令和2年9月期決算概要によると、主要損保会社の正味収入保険料は、国内事業では自賠責保険の料率引下げ等により減収したが、海外事業でのレートアップ等で前年同期に比べやや増加した。主要生保会社の保険料等収入は、外国金利の低下や新型コロナの影響に伴う営業活動の自粛等による一時払外貨建て保険の販売が減少したことなどから、前年同期に比べ大幅に減少した。
 とはいえ、収入面に限ってみれば、コロナの影響をまともに受けた業種と比べれば、現時点では影響は軽微だ。しかし、「コロナ不況」が長引き、倒産企業が増え、失業者が増加する事態となれば、保険の対象となる物件が消失し、保険契約の解約が増大することも考えられる。その結果、大幅な保険料の減収も最悪のシナリオとして想定しなくてはならない。
 中間純利益は、主要損保では、国内事業では自動車事故の減少等により保険金支払いが減少したが、海外事業での新型コロナに関係する保険金支払いの発生等により、前年同期に比べ減少した。主要生保では、販売減少に伴う代理店手数料の減少等により基礎利益が増加したことに加え、債券の入替え等に伴う有価証券の売却等によりキャピタル損益が改善したことから、前年同期に比べ増加した。損保は海外事業に黄色信号が点り、生保は消極的なプラスに見える。
 生死、病気、ケガ、賠償責任などあらゆるリスクに対応する保険の需要がなくなることはないが、法人や個人が支払う保険料に納得感が得られる保険商品がこれまで以上に求められる。コロナ下で保険会社も代理店も非対面のリモートワークを推進しているが、電子的なリモートだけに偏することなく、手紙や電話などの連絡手段も駆使し、感染防止を徹底しての対面も欠かすことなく、創意工夫して仕事に従事することが求められる。