新年の課題【主張】1月3集(生保版)

新年の課題
 昨年来のコロナ禍により、新しい日常のもと否応なく働き方が変更してきている。新年を迎え、生保事業を取り巻く環境変化を踏まえ、幾つかの課題を取り上げることとする。
 その前提として、新型コロナウイルス感染症の発生(罹患)状況を概観すると、第三波とされる新規患者数の推移から、未だ収束に向かっているとは思われず、ウィズ・コロナの中でいかに経済を回していくかが鍵となろう。
 このような状況下で、契約者向けの特別対応や保険金等の支払状況が生保協会より発表されており、業界を挙げて負託に応えてきていることがわかる。なお、個別会社のうち、日本生命では「新型コロナウイルス相談補助システム」の案内、太陽生命では、新型コロナウイルス感染症を保障する新商品発売など、顧客に対する機敏な対応は高く評価できる。同業他社においても、多くの契約者を抱えており、未曾有の疾病に対する不安を払拭するような商品・サービスの提供を望みたいところだ。
 新しい日常のもと、巣ごもり需要に応えたパソコン・ゲーム業界を除き、大打撃を受け続ける飲食業界をはじめ、経済活動においては多くの業種でマイナス成長を辿っていると見られる。生保会社が対象とする企業・団体において、とりわけ中小企業の中にはコロナ禍により、昨年までに描いていた業務計画を大幅に変更せざるを得なかった会社も少なからず存在するものと想定される。各社の法人契約に加入している企業が、万一にも苦境に追い込まれているのであれば、存立が危うくなる前に支援を検討して貰いたい。
 支援策の一つとして挙げられるのが、昨秋発表された大樹生命の「WEBビジネス支援サービス」、第一生命の「オンラインビジネスマッチングサービス」の提供である。従来、ビジネスマッチングは、参画企業が一堂に会するものであったが、三密を回避せねばならない現状ではオンラインでのやり取りが最適な形式と言えよう。両社に限らず、多くの生保会社において取引先企業間を結ぶオンラインビジネスの橋渡しを進めて欲しい。これらによって、新たな地平を切り開く企業の出現を期待したいものだ。
 大手会社では、多様化する顧客からのニーズに応える組織として、第一生命ホールディングスは18年4月に「Dai-ichi Life Innovation Lab」を新設。次いで日本生命では20年4月に「Nippon Life X」を設立。さらに明治安田生命では、「MY Mutual Way2030」を、住友生命はスミセイ中期経営計画2022」をそれぞれ策定しているが、少子高齢化の進行する国内市場において、健康寿命、子育て・教育、資産形成、働き方・ダイバーシティ等の領域において、どのような新規事業が生み出されるのか、大いに注目されるところである。             (石原)