最先端技術でレジリエンス向上を目指す【オピニオン】2月1集(生保版)

百々 淳浩氏(談)
(スイス再保険会社日本支店代表)
最先端技術でレジリエンス向上を目指す
近年、洪水、津波、強風、地震等の自然災害による広範な地域に及ぶ経済被害が、世界における保険業界の主要な損失要因となっています。各国の主要都市では、洪水等、気候変動の影響により予想される自然災害リスクが上昇しており、東京では、もし今後リスク軽減活動がなされない場合、その直接的な経済被害額が2050年には現在の2倍に跳ね上がるとの試算もあります(注1)。そのような状況において、将来のリスクを予測し、複数の適応策を今から備えることが一層重要となっています。
保険は自然災害リスクに対する非常に有効な手段の一つです。例えば、衛星画像や地理空間情報などのデジタル技術を使った高精度な財物集積の管理により、これまで以上に精緻なリスク情報の収集分析や、自然災害発生時には、リアルタイムの被害予測に基づく的確な情報を提供する保険サービスが検討・開発されています。また、こうした技術は、災害後の迅速な保険金支払いも可能とし、お客様の素早い復興をサポートする一方で、保険手続きの簡素化や効率化にも寄与します。
最近の弊社の例では、中国で試験的に提供を開始したSwiss Re Agriculture Insurance Risk Management Platform (SRAIRMP)が挙げられます。最新の機械学習技術を活用して衛星画像データに基づく精緻な農業リスクの分析、可視化を行い、商品設計から保険金支払いまで保険商品のライフサイクルをワンストップで管理し効率化することを目指しています。SRAIRMPは高い評価を受け、シンガポール金融管理局の2020年フィンテック・アワードを受賞しました。
スイス・リーは、最先端ソリューションを日本のお客様にも提供することで、社会のレジリエンス向上に今後も貢献していきます。
(注1)McKinsey & Company, 2020, Tokyo in trouble: Physical assets face double damage from climate change