コロナ禍での生保業界の取組み【主張】3月3集(生保版)

コロナ禍での生保業界の取組み
 今回の標題は、延長された緊急事態宣言下において、2つの側面について考察する。
 1つは、昨年来のコロナ禍により様々な業界において仕事を失った方々を、生保会社が営業職員として採用していることである。現在、営業職員を擁する会社では、入社後の育成期間(固定給支払期間)を設け、その間、金融知識や販売技術を磨きながら独り立ちできる人材を輩出していることは周知の通りでこれに異を唱えるものではない。一人前の営業職員として生計を立てていくのは簡単な途ではなく、言い古された言葉であるが、採用に際しては、厳選採用に努めてもらいたいということだ。
 採用された方々に対して、当事者の努力はもちろんだが、職場での十分な支援により、多くの顧客(見込み客)を保有するような存在になることを望みたい。万一、当該職務に支障をきたすような事態の場合には、退職勧奨ありきだけではなく、当事者の意向を踏まえた上で、他の部門への配置転換を含め、可能な限り勤続できる人材として育って欲しいものだ。
 生保会社の営業職員の体系としては、一部の外資系生保会社に見られる、他業界の営業職を即戦力として採用、フルコミッションセールスを特徴としている。これらの会社では、自身の持つマーケットを如何に活用できるかが成功の鍵になるものと思われる。また、数年前よりオリックス生命で採用されている「コンサーブアドバイザー」は、期限の定めのない固定給制として採用し、同社の従来からの販売チャネルであるダイレクトチャネルなどと融合させたオムニチャネル化を通じた体制をとっており、極めて個人能率が高いことが知られている。
 コロナ禍により、対面営業が困難な局面を迎えているが、リモート機能を活かしながら多くの顧客から信頼される営業職として、自立していくことを期待したい。
 2つ目の側面は、コロナ禍により事業の推進が困難となる中小企業に対する対応である。従来から、中小企業への支援を標榜している大同生命およびエヌエヌ生命の2社は、経営者向け保障商品を開発、万一の事態が発生しても破綻させることなく、企業の存続に応えていることは多とするところだ。
 中小企業を取り巻く環境は、感染症の拡大により急変しているといわれる。このような中、生保業界としては、資金需要を始めとする様々な経営課題に対して、早急に処方箋を提示して戴きたいものだ。1月3集号本欄「新年の課題」でも指摘したが、昨今、取引先企業を対象としたビジネスマッチングは、参画企業にとって新たな市場開拓に繋がる可能性が高いイベントといえる。オンラインにより、遠隔地を結ぶことができ、苦境を脱する手掛かりを提供する場として積極的に推進し、参画企業の活性化への貢献を望むものである。                (石原)