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2019.02.12
少子高齢社会は素晴らしい?【主張】2月2週(生保版)

少子高齢社会は素晴らしい?
 狭い国土に膨大な人口を抱えた我が国では、明治以降の人口政策の発想の基本は、富国強兵を目指すための兵隊は必要であるが、新大陸(北米や南米)や外地(満州や朝鮮、台湾)への移民などによる「口減らし」と同義であった。
 特に敗戦により縮小した本土に多数の引揚者や新生児が加わって人々が溢れかえった頃は、国主導の産児制限の運動さえ行われた。つい半世紀前までの状況である。
 それが今では真逆の方向である少子高齢が進み、総人口までも減少に転じる状況となった。年金や医療・介護などの社会保障の運営に始まり労働人口の不足など、社会のあらゆる面で少子高齢に伴う難問が生じている。
 ついには人間だけでなく、橋やトンネルさらには上下水道などの社会インフラまでも老朽化が進み、それらの維持管理や改修などの費用がかさみ……毎日のように各方面から悲鳴が聞こえてくる。
 これら今日直面する難問について、小生も同じような危機感を抱くものの、同時に次のような基本的な事柄に関わる疑義もぬぐい切れない。
 人口統計は、産業経済から厚生労働、安全保障など、あらゆる国政の検討において基本的かつ最重要な判断要素である。そして今日の状況に至る道筋は、すでにベビーブームで人口急増の時代から兆しが見えていたし、その後の経済成長期になると今日の状況は確実に描けていたはずである。それなのに、なぜ今頃になって大騒ぎしているのか。
 社会や時代の変化に伴い、政策の検討における尺度は適切に取り換えるべきであるが、未だに生産年齢人口は15歳から65歳とされ、最近まで経済指標ではGNPが幅を利かせていた。これがGDPに代わっても、共にモノの生産を念頭に置いたものであることに変わりはなく、今日の社会における人々の生活や価値観の実態を思うと大いに疑問である。
 我が国では道路事情が特に悪く、米国のハイウェーやドイツのアウトバーンをうらやむ時代が長かったが、今では道路網の整備も相当進んでいる。道路に限らず、社会インフラの維持管理や改修も大変だろうが、建設用地の買収から始めなければならない新設を考えると、その負担の大きさは比べ物にはならない。
 同じように個人ベースで考えても、少子高齢社会では上の世代の年金や介護の負担は重いのだが、他方では相続により上の代から引き継ぐものも大きい。
 つまり「モノは考えよう」であり、視点を変えれば違った風景が見えてくる。それでも「少子高齢社会は素晴らしい」は少し言い過ぎだろうか。       (客員・岡本)

2019.02.04
第三分野商品のスタンダード化はどうなった【主張】2月1集(生保版)

第三分野商品のスタンダード化はどうなった
 1月11日の毎日新聞投書欄で「保険批判への反論も載せて」という保険関係者による投書を見つけた。ビジネス誌による生命保険特集に掲載されている保険コンサルタントや評論家による商品評価の内容が、保険数理のプロから見て、あまりに的外れで独断的な批判ばかりなので、せめて保険会社の言い分も載せるべきという内容だった。
 ビジネス誌の保険特集では、商品評価やランキングが目玉記事の一つとなっている。保険ジャーナリストやFPに対し、積極的に情報提供を行う保険会社も増えており、保険会社の言い分が全く反映されていないわけではなさそうだが、保険数理のプロが嘆くのだから、こうしたインプットにもかかわらず、偏った記事の掲載が横行しているのだろう。
 保険への理解の低い評者にはもっと勉強していただくしかないし、一方的なコメントばかり載せるのもどうかと思う。ただ、もし私自身が商品評価をしろと言われたら、おそらく困ってしまうだろう。なぜなら、平成の30年間で第三分野を中心に商品や料率の多様化が進んだ一方で、保障と料率の関係が外部からほとんどわからないためである。
 各社のサイトには商品パンフレットのほか、「契約概要」「注意喚起情報」が載っているので、比較サイトに頼らずとも保障内容を比べることはできる。だが、保険料の絶対水準ではなく、同じ保障に対して商品Aの保険料が商品Bよりも高い/安いといった、他の金融サービスでは普通に行われている分析が保険商品では非常に難しい。
 それでも死亡保障だけであれば、最近の健康増進型を除き、ある程度納得できる比較が可能かもしれない。保障内容のバリエーションが限られているうえ、標準生命表が存在し、各社とも表から大幅にかい離したプライシングを行っていないと考えられるためである。これに対し、第三分野には標準発生率や参考純率等がなく、金融庁による商品認可を経ているとはいえ、各社が使っている発生率も、プライシングの保守性の程度もばらついていて、かつ、外部の評者が分析する手掛かりも乏しい。通常の財・サービスであれば問題ないかもしれないが、社会保障の補完的な役割を果たすことが期待されている保険商品において、保障と料率の関係がここまでブラックボックス化したままでいいのだろうか。
 実は15年近く前に、金融庁の検討チームで第三分野の責任準備金積立ルールや事後検証ルール等を議論したことがある。05年6月に公表された報告書を読むと、今後の課題として「データの整備」「標準発生率・参考純率等の整備」が挙がり、第三分野商品のコアになる部分のスタンダード化に向けて、「当面はまずデータ整備に注力し、将来的課題として、標準発生率や参考純率等の適否を検討していくべきではないか」という提言が示されている。しかし、何年たってもデータ整備に向けた動きは見られない。果たしてこのまま放置していいのだろうか。 (客員・植村)

2019.01.24
”技術を支える金融事業 【主張】1月4集(生保版)

“技術”を支える金融事業
 標題の意味は、昨年来、世界に誇るべき我が国の技術分野で、さまざまな製品擬装が発覚、先人達により築きあげられてきた“日本ブランド”が失墜するのではないかと思われた時、世の中に役立つ物作りへの情熱が活き活きと描かれたTVドラマ『下町ロケット』を視聴して以来、これこそが企業規模を問わず産業界が共有すべき資質であり、そのような企業を経済的に支える金融事業でなければならないと感じたからである。
 昨秋から年始にかけて放映されたこのドラマ(TBS・日曜劇場枠、午後9時)は、数々の困難が立ちはだかっても従業員や協力者の支援を得ながら乗り越えていく経営者の姿が映し出され、世界的大企業が打ち上げるロケットに不可欠なシステムを納入する技術力を誇りとする中小企業が舞台となる。模倣ではない独自の技術開発にこだわり、そこに織りなすさまざまな人間模様に、多くの共感の声が寄せられたと言われる。
 周知のとおり、大手生保をはじめ伝統的な生保会社は、従前より我が国経済の幅広い産業界の株主として、各企業を下支えする存在である。近年は、物言う株主としての立場を鮮明にして、事業計画や決算等において対話・意見表明を積極的に行っている状況が生保協会発行のレポートや個別会社の決算資料において明らかにされている。
 意見表明や対話の推進は、株主としての当然の権利であるが、そこには当該企業に対し健全な事業体として継続的に発展する期待が込められているからであり、その思いを根底に今後も大いに発言してもらいたいところだ。その結果として、株主配当への還元に繋がることを望むものである。
 一方で、昨今、残念な報道を目にすることがある。それは、他には真似のできない、唯一無二の優秀な技術を持ちながらも後継者がいないために、倒産・廃業のやむなきに至る中小・零細企業のケースである。我が国の産業構造において、9割以上が中小企業と言われるが、それらの秀でた技術を継承されることなく消失してしまうことになれば、一企業だけの枠を超えて、経済全体にとっても大きな損失となりうるのではないか。
 多くの中小企業を取引先(市場)として持つ生保会社としては、企業間の連携・提携を促す場を提供するビジネスマッチングは有益なものとなろう。これにより、単独企業では存続が難しい場合でも提携等で人材確保を図ることが可能となれば、技術力を活かす新たな途を見出せることになる。
 日本生命では、既に同様のビジネスマッチングを開催し、それぞれの開催地では大盛況であったという。同社に限らず、中小企業が健全に成長できる支援を積極的に展開する生保業界であることを期待したい。 (石原)

2019.01.22
平成30年版 損害保険統計号発売

損害保険各社の決算に基づく契約・収支・資産状況を掲載した損害保険事業統計の決定版。

2019.01.16
携帯電話の料金問題 【主張】1月3集(生保版)

携帯電話の料金問題
 昨年の秋に官房長官の菅氏が、「我が国の携帯料金が諸外国に比べ高すぎる」とし「四割程度の値下げを要請する」と発言をしたことを受け、大手各社のトップが揃って値下げの検討を行う意向を示した。利用者の一人である私も、今回の一連の動きを大いに歓迎し、値下げの実現を心待ちにしている。
 ただしながら、保険におけるこの件と同種の諸課題を思い浮かべると、日頃から規制業種における「監督行政の在り方」を思考する者として、次のような視点で問題点が多いように思えて仕方がない。
 一つは、いかに公共性が高い携帯事業とは言え、政府高官が直に民間企業の価格問題に口出しをすることの是非である。もう一つは、何をもって安い高いと評価するのか……評価の尺度の妥当性である。さらには、切り口が全く違うが、相変わらず「デフレ脱却」をとなえるアベノミクスの推進役であるべき者が、公共料金の性格を有する携帯料金の値下げを要請するのは矛盾しないかとの疑問である。これらを含めて、最後には「行政は、どのような視点で民業に関わるべきか」との本質問題に行き当たる。
 豊かな国民生活の実現を第一に考える(べき)政府の経済政策では、先ずは有効需要を作り出すことから始め、次に需要と供給の経済循環を活性化させる環境の醸成こそが、いつの時代においても基本動作となる。その過程で「民間の活力」は欠かせないが、それだけでなく自由闊達な国民の経済行動は経済政策の目的でもある。
 アベノミクスでは、この基本動作を金融緩和、財政出動、成長戦略(構造改革)の三つの要素に分解して、その具体的な手法の方向性を示した。それを「三本の矢」と名付け、前二つの金融緩和と財政出動までは良かったものの、肝心の構造改革については未だに実績が見えてこない。
 前の二つも、単なる一時的なカンフル剤に過ぎず当然に出口は必要とするが……そして肝心の構造改革(私はその中身を「社会の各方面に残る時代遅れの規制の見直し」と捉えている)では、例によって「総論は賛成だが各論は反対」の政治力学が働き、結果は「ちぐはぐ」が目立つだけで一向に前に進まない。
 今日、政府の経済政策には諸々の考え方があるが、いずれも市場の競争原理を軸に据える点では共通する。そして経済の効率化を実現するには、市場行動において民間活力の発揮こそが最も重要であり不可欠であることにも異論はない。
 その民間活力に「新しい芽吹き」や「将来への展望」そして「逞しさ」が見えにくいのはなぜか。原因は何だろうか。いろいろと指摘はあろうが、一口で言えば「政府への信頼が乏しく、その政府からの介入が多すぎる」ことだと思う。そして規制産業の生産性は概して低い。        (客員・岡本)

2019.01.09
【主張】人生100年時代への対応 1月第2集(生保版)

人生100年時代への対応
 周知のとおり5月より新たな元号のもと、新時代がスタートする。新年最初の本欄では、国内の生命保険事業が、様々な課題に対し如何に応えていけるかを考察したい。
 まず、標題に掲げた人生100年時代への対応である。高齢化の進展に伴い、平均寿命と健康寿命の差を如何に縮めるかが国家的な課題となっているが、生保各社としても、100年時代を踏まえた商品・サービスを開発・提供してきている。このうち、トンチン性を高めた年金商品の登場は、契約者にとって長生きするほど利益が得られる形となり、まさに今の時代に則した商品として位置付けられる。販売各社としては、配当金支払いに加え、契約者が活き活きとした高齢期を迎えられるような「気付き」を提供して欲しい。
 また、新商品開発と並行する形で著名な大学等医療機関と提携し、国民病とも称される糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防など、広く啓発活動を展開している会社もみられる。これらの活動は、研究成果が結果的に健康寿命の延伸に深く関わると思われることから、今後もより一層、推進することを期待したい。近い将来、その成果を保障範囲とする新商品の提供によって、生活習慣病の予防や万一罹患した場合でもそれ以上重篤化させないことなどを契約者サービスの一環として、常に発信し続けることが望まれる。
 生保契約の特性を反映して、長期間に及ぶ契約者=高齢顧客が少なからず存在し、その割合は益々増大していくものと想定される。その中には、単独世帯や認知症に罹患する顧客もおり彼らに対する正確なサービス提供が課題の一つとなっている。そのためには、成年後見制度や代理請求等を遅滞なく案内することで、支払(請求)漏れのない体制が求められる。また、地域での営業職員による見守り活動は称賛されるべきものであり、会社の如何に拘わらず全国で展開してもらいたい。
生命保険協会では、数年前、高齢契約者に対する各社のサービスの在り方を取りまとめたものを発表しているが、好事例として特筆すべきサービスに挙げられるものが太陽生命の「かけつけ隊」サービスである。このサービスは、同社が平成28年に「ひまわり認知症治療保険」発売に伴い、請求漏れを防止するために専門知識を有する内務員が直接シニアの顧客や家族を訪問し、支払い手続きをサポートするものとしている。サービス開始以来、短時間で手続き完了する光景を目の当たりにして、多くの顧客(家族)から感謝の声が寄せられているという。
 生保契約は、社会保障制度を補完する手段としての位置付け・確立されているからこそ、多くの国民が加入している。その評価は、保険金・給付金がいかに支払われるかに掛かっているが、高齢顧客が増大する中、「かけつけ隊」サービスは、従来の既契約者訪問とは意味合いを異にする優れた契約者サービスとして、参考とすべき事例であろう。(石原)

2018.12.26
オピニオン ビジネスモデルの変革(1月1集)

オピニオン
 貝賀 滋
 本社・社長

 ビジネスモデルの変革

 2018年は、保険業界の変わり目を象徴する出来事があった。一つは相次いだ大規模自然災害。もう一つは「健康増進型保険」の登場。
 大阪府北部地震、西日本豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震、台風24号と、6~10月に災害が集中したことで、損保各社では、損害調査担当者だけでは間に合わず、他部署の社員を応援に派遣して迅速な支払に力を尽くした。一方で、業者の見積もりが進まず、支払保険金の確定に時間がかかった。損保会社では、現場のオペレーションについて見直していく考えを示しているが、実損?補の考え方についても新たな視点からの再考が必要なのではないか。人海戦術がべースの損害調査。同時多発的に災害が起きることが常態となってきた時代にあって、人だけに頼る損害調査には限界が来ている。こうした状況を踏まえて、ドローンや人工衛星といった機器を取り入れた損害調査へのチャレンジも始まっている。
 「健康増進型保険」は、従来の生命保険にはなかった被保険者が健康に努力すると支払う保険料が減少するといったものだ。健康診断の受診結果やウェアラブル端末やスマートフォンなどを使いウォーキングなどの健康増進運動のデータが保険会社に送られ、その結果が保険料に反映される。死亡保障、生存保障、年金、ガン・医療といったこれまでの生命保険のイメージを一新する商品性がある。健康診断や機器の装着などを被保険者に要求するといった従来にないハードルがあるが、生保会社の画期的なチャレンジだ。生保各社では、それぞれ特色のある商品を開発している。政府が企業を対象に「健康経営」の取り組みを積極的に推進しているが、この流れも「健康増進型保険」にとってはフォローの風になるだろう。
 2019年は、損保の大課題「自動運転」とともに、保険ビジネスモデルの変革となるこの二つの動きに注目したい。

2018.12.18
不可欠な「動的監督」12月4集(生保版)オピニオン

オピニオン
 横尾光輔氏(述)
 金融庁監督局保険課長

 不可欠な「動的監督」

 低金利環境の継続等により収益環境が厳しさを増す中、経済のグローバル化等による内外経済・市場の変動や世界的な自然災害の激甚化、サイバー攻撃による被害等の新たな保険引受リスクの出現等、保険会社を取り巻くリスクの変化が加速し保険会社ではこうした変化に対応したリスク管理態勢等を構築することが重要となっております。
 こうした環境変化を背景に、適切なリスクとリターンのバランスの下、全てのリスクを経営環境と一体で統合的に管理するERMの重要性が高まっています。保険会社においては、ERMの高度化を通じ、将来にわたって保険金を確実に支払えるよう充実した自己資本を保つとともに、保険契約者や株主に対して適切に利益を還元するために高度なリスク管理に支えられたリターンの向上を図ることが求められています。ERMの高度化では、リスク情報をあらゆる角度から分析し、経営層に的確に提供することが重要であり、アクチュアリーに求められる役割、果たすべき責任は今後とも重大です。日本アクチュアリー会は、ERMの国際資格CERA資格者の養成に尽力されていますが、アクチュアリーの職務遂行能力の維持向上に向けて、引き続きご支援をお願いしたい。
 また、保険会社を巡るリスクの所在と形態の変化が加速する中、経済価値ベースの資産・負債評価ベースの資産・負債評価の考え方を取り入れた保険監督の議論が国際的に進展しており、金融庁においても現行のソルベンシー規制では十分に捉えられないリスクも包括的に考慮した健全性を把握する「動的な監督」に取り組むことが不可欠となっております。このため、保険会社のリスク管理の高度化を促しつつ、資産・負債を経済価値ベースで評価する考え方を検査・監督に取り入れていきたい。併せて、経済価値ベースのソルベンシー規制について、現下の経済環境における様々な意図せざる影響にも配慮しつつ、国際資本基準に遅れないタイミングでの導入を念頭に、保険業界の皆様と広範な議論を行いたい。(文責・編集部)
―11月8日の日本アクチュアリー会年次大会から―

2018.12.12
新時代に期待する 12月3集(生保版)主張

新時代に期待する
 「おもてなし」は、英語ではホスピタリティーと訳されるらしいが、日本在住の米国人によるとニュアンスは異なると言う。オリンピック招致と関連して「おもてなし」は、社会的に注目され2013年の流行語大賞にも選ばれている。一方、これと類似して日本人の気質を表現する用語として「忖度」という用語があり、これを訳す適切な英単語はないという。「忖度」という表現も流行語大賞に選ばれたことは、まだ記憶に新しい。しかし「忖度」は、言葉の意味とは裏腹に一部の官僚の他人への配慮のなさ、思慮の欠如で、日本らしさを表わす言葉の本義が揺らいでいる。
 今年は、金融界に目を向ければ、東日本銀行、スルガ銀行を巡る問題、教育機関では東京医科大学の不祥事、メーカーでは、神戸製鋼やKYBのデータ不正、そしてアマチュアスポーツ問題の報道が相次いだ。日本を支えてきた勤勉・誠実・正直という日本人らしさは、風水害の影響とは関係なく崩れ去ろうとしているのではないかと、今年は不安がかき立てられた1年であった。
 さて、もうすぐ平成最後の年末を迎えようとしている。来年は、すでに消費増税による混乱が待ち構えている。明治維新、終戦後、日本人は社会基盤をその都度再建してきた。そして戦後の高度成長から名実ともに社会基盤をリニューアルすることが求められている現在、我々は、どのように社会と向き合い日本を再構築するのか考えなければならない。このような言説も、言い古されてはいるが、昨今の不安な報道を耳にするにつけ考えさせられるのである。
 平成の世の30年間を思い返し、日本史の中で、平成時代は誇れる時代だったのか、甚だ疑問であるが、30年前には想定していなかったような現在が存在することも事実である。歴史の彼方に忘れ去られるような東西冷戦終結も平成3年の出来事であり、現在我々は世界を自由に往来することができている。
来年は、福沢諭吉が民間保険を日本に紹介して152年目にあたり、保険サービスは今や社会の基盤を支える、なくてはならないシステムとして機能している。顧客を置き去りにしたマネーゲームで、業界が信頼を失うことになったバブルの崩壊も、支払い漏れ問題で社会から批判されたのも平成である。その後は、顧客志向のサービス体制を構築し、業界が悪戦苦闘したのも平成という時代であった。来たる新時代が、保険業界にとってどのような時代になるのか不透明ではある。しかし、今後も新元号と共に新しい時代を担い切り開いていける業界であり続けることを期待したい。
煩うことは多いが、来年は新元号が待っている。新たな時代が幕を開けることは事実であり、新天皇陛下の誕生が不安をかき消し、オリンピックを迎える前年の慶事になることを心から願ってやまない。 (客員・佐々木)

2018.11.22
インシュアランス生命保険統計号(平成30年版)発売

生保会社および簡易保険、主要共済の平成29年度決算に基づく
契約業績、収支状況、資産状況等を収録したわが国唯一の生保・共済
決算特集号です。
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