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2017.05.11
ローマ帝国衰亡史―BIS規制

【主張】5月2集(生保版)

 一八世紀英国の歴史家E・ギボン、二世紀の五賢帝時代の最盛期に始まり、一五世紀のコンスタ
ンティノープル陥落までの『ローマ帝国衰亡史』を雄渾な筆致により著す。
 ところでバーゼル合意(BIS規制)の変遷を学ぼう。ヴェトナム戦争終結後の経済疲弊により
米国は変動相場制へと移行する。米欧銀行は為替投機を巡り相次いで破綻した。
 国際金融の秩序を目的とするバーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、一九八八年、国際業務を
行う銀行について信用リスク、市場リスクを担保する自己資本比率規制を定めた。初代BIS
規制(バーゼルⅠ)である。
 米ソのアフガン紛争を契機として東西冷戦の終結を見る。世界経済は多幸症状態に陥り、金融
規制緩和(金融ビッグバン)に沸き立つ。米国では大恐慌時に制定された銀行・証券の分離を定めた
「グラス・スティーガル法」を廃止、金融機関相互の乗り入れを可能とする「グラム・リーチ・
ブライリー法」を制定。
 その結果、肥大化したデリバティブ市場に多くの蹉跌を見る。危機意識をもつBCBSはオペ
レーショナル・リスクをリスク資産に算入する「バーゼルⅡ」を制定(二〇〇四年)。
 ところが「テロとの戦い」勃発、米国における戦争濫費は世界経済に不況を招来する。 
 押っ取り刀の金融緩和は、不動産バブルを発生。さらには病的に発達した「金融工学」の粋を
凝らしたサブプライム・ローン、債務担保証券、クレジット・デリバティブ等の連鎖的崩壊により
リーマン危機を呼び起こす。
 ここに流動性比率などに重点を置く「バーゼルⅢ」を急遽制定(二〇一〇年)したもののマクロ経
済動向、保護主義の台頭など規制を緩和する動きもあり、最終合意には至らない。
 米国発「戦争蕩尽→経済不況→金融緩和→金融危機勃発→BIS規制導入/改定」の悪循環こそ
荒廃/賭場化する国際金融の混乱に対する「泥縄」的な規制強化の「衰亡史」といえる。
 米国の現政権は、軍備拡張、また前政権による金融制度改革法「ドッド・フランク法」の骨抜き
宣言を行う。防衛産業、ウォール街の出番となる。先進国が財政政策によるソブリン・リスクに脅
える今日、杞憂で終わればよいが、三度あることは四度ある。異次元ともいうべき金融恐慌の惧れ
を否定できない。
 三七八年、ローマ帝国が大敗北したアドリアノーブルの戦いから四〇九年、ブリテン島(現在の
英国)の支配権喪失までの僅か三〇年で帝国は事実上終焉したという(南川高志)。
 原因は広大な辺境における諸民族の「ローマ人」なる自己認識の欠如である。EU域内での
「ヨーロッパ人」の曖昧さが、ヨーロッパと距離を置く英国のEU離脱を導いた。
 金融市場における国際協調の証しとしての「BIS規制」。「バーゼルⅠ」から三〇年後の
今日、来るべき「裁きの日」にも「蟷螂乃斧(『荘子』人間世篇)」に留まるのか。

(客員・林)

2017.04.27
新しい生命表に期待する

【主張】 4月4集(生保版)
 報道によると、昨今の死亡率の改善を受け「日本アクチュアリー会が新しい標準生命表を
作成する」という。生命保険制度の根幹に関わるものであり、関係者はその意味するところ
をよく理解した上で、自由闊達な議論と広範な視点からの意見を集約して、慎重な策定作業
に当たってほしい。
 その利用者の一人として、筆者は是非とも次のような視点を加えて作業を進めることを期
待する。これまで(表だって)議論されることが少なかったが、これからの経営環境を考え
ると避けては通れない視点である。
・死亡率は常に改善されるとは限らない。すでに我が国のものは世界最低レベルであり、こ
れ以上の低下は難しく将来は部分的にも上昇する可能性が高い。これは死亡保険料の値上が
りを意味するが、その値上げを可能とするための備えである。年金用の生命表(通常の生命
表とは逆に、死亡率が下がると年金保険料は上がる)では、すでに三〇年ほど前から同様の
懸念から実際に「生年別」の生命表が採用されている。
・終身期間の生命保険や医療保険が主力商品となり、実際にも百歳を超える長寿者が珍しく
ない時代にあって、生命表での最終年齢の設定と保険価格での使用方法については、再考す
る必要がある。かつて郵便局の簡易保険では、一定の年齢以上で一定の経過年数を過ぎる
と、保険料の払い込みを免除したり繰り上げ満期取扱いで祝い金を支払う仕組みがあったが
民営の制度として合理性を失わない範囲で、超高齢者の取扱いは検討に値する。
・生命表は年齢別にリスク評価することを前提としているが、高齢者になればなるほど対象
母数が先細りして安定性を欠き、同時に年齢以外の属性に左右される割合が増える。そのこ
とから一定年齢以上では年齢を大きく括ることで母数を大きくして安定性を測り、一方で他
の属性要素の導入余地を広げるといった工夫が必要である。実際に筆者が関係した終身期間
の医療保障では、そのようにすることで目的を達したケースがある。
・今や自動車保険ではリスク細分型が主流であるが、これと加盟会社の料率算定機構による
参考純率への順守義務との関係が明解とは言えない(*)。生命保険でも同一の年齢でも一
定条件に当てはまると保険料が安くなるノンスモーカー割引などが見られるが、これも一種
のリスク細分型とすれば標準生命表との位置づけ関係は決して明解ではない。現実問題とし
て対応が難しいことは承知しているが、それでも生命表の計算主体としては、それなりの統
一解釈が必要であると考える。
(*)リスク区分を勝手に細分して、その一部を低く評価すること自体が問題であるが、大
きく譲って細分することまでは容認するとの考えもある。それでも、細分してその一部を低
くするなら他の部分は高くしなければ辻褄が合わないことは言うまでもなく、リスク細分型
とも呼べない。  (客員・岡本)

2017.04.24
働けなくなるリスクへの保障を拡充した新商品発売

丹保 人重氏(述)
(三井住友海上あいおい生命取締役社長)

 創立以来、私どもに皆様方のあたたかいご愛顧を賜り、着実に成長できましたことを
心より感謝申し上げます。
 生保業界は、少子高齢化や人口減少によって、死亡保障分野は横ばいですけど、継続
的な低金利を受けた標準利率の改定など、厳しい環境が続いているわけです。一方で、
医療技術は進歩しており、長寿化そして女性の社会進出などによって、世帯の収入構造
が変化していることを背景に、世帯主への死亡保障と同様に、1人ひとりの個人の方が
ケガや病気で働けなくなってしまうリスクへの備えが益々重要になっているわけです。
 当社は、これまでも死亡保障に加え、様々な医療や介護商品をご提供してきましたが、
この度、働けなくなるリスクへの保障を大きく拡充させた新商品を4月から発売します。
 就労不能状態における新たな保障、そして公的介護制度と連動したお支払い等に加え、
業界トップ水準の内容となる保険料免除特約の導入など、分かりやすくて使いやすい商
品としております。
 当社は、医療保険分野でも同様の保険料免除特約を備えた「新医療保険Aプラス」を
昨年5月に発売しました。皆様のご好評を得て、10ヵ月で14万件を超える新契約をいた
だきました。
 万一の時や働けなくなった時の収入減には「新総合収入保障」。介護や疾病入院など
で生じる支出増には「新医療保険Aプラス」と、当社の2大主力商品によって、お客様
1人ひとりの人生に立った安心をお届けしてまいります。
 これからも当社は、ニーズに応えたお客様本位の魅力的な商品・サービスをご提供
することで、少子化、長寿化、女性の活躍支援など、社会的課題の解決に貢献してま
いります。
(3月6日の「新総合収入保障/新収入保障」説明会での挨拶より要約)

2017.04.13
直販チャネルの採用状況について

片岡 一則氏(述)
(オリックス生命代表取締役社長)

 昨年7月採用の直販チャネルにつき、ある程度の傾向が見えてきましたので話したいと
思います。1期生が28名入社し、3ヵ月間はトレーニングし4ヵ月目から営業活動に入る
サイクルとして、10月に2期生、今年1月に3期生まで入社しており、東京・大阪・名
古屋・福岡の5支社で運営しています。立ち上げの支社長・営業所長要員の出身は様々
で、共通しているのは査定解職制度のない固定給に共鳴していただいたということです。
 当社の直販は、査定解職制度のない、期限の定めのない雇用の中で、内勤社員と同様
に月例のフィックスのサラリーと活躍度合により決まる業績賞与の組み合わせになりま
す。業績賞与は、あくまで評価期間の人事考課、段階評価を受けての業績賞与ですので、
外資系生保のコミッションのように成績に直接リンクして比例的に増えるものではない
報酬体系としています。
 採用に関しては、顧客サービスの観点からも会社のビジネスオペレーション上の観点
からも厳選採用をしなければならない制度としています。3期生までの採用状況として
は、合計3,227名がエントリーし、書類判定を通過した956名に面接を行い、当社として
は生命保険の意義、如何に重要で難しい仕事であるかという厳し目の話をしています。
なぜそうするかというと、当社は固定給であり、外資系コンサル生保のように収入で
モチベーションをかけることができないので、必然的に仕事の意義に共感する人を採
用するプロセスになっています。採用プロセスや研修もブラッシュアップされており、
3回の採用を通じて採用数63名、応募者の2%と厳選採用となっています。
 面接の過程を通じて、努力できる人か、困難から逃げないタイプの人かという、
適性を見極めるように、職業意識・倫理観が高く、努力する人を採用したということ
です。1期生の10―12月の成績は、1人当たり新契約年換算保険料は月105万6千円、
1人当たり新契約件数は月10.8件と期待値以上になっています。

 (2月23日の情報交換会での説明より要約)

2017.04.06
初のワイドコラボ協定

【週間の動き】4月1集(生保版)

第一生命
東京都と包括連携協定を締結

 第一生命は3月6日、東京都(小池百合子知事)と地域社会の
発展と都民サービスの更なる向上のため連携協定となる「ワイド
コラボ協定」を締結した。東京都による企業等とのワイドコラボ
協定は今回が初めてとなる。
 同社では全国47都道府県に約1,300の営業拠点を有し、
約4万名の職員が在籍している。このネットワークを活かし、
全国の自治体と「協定」を結ぶことで、地域の課題解決に取り
組んでいる。現在、46都道府県の自治体と、健康啓発、高齢者
見守りなどの分野で協定を結んでいる。
 今回、東京都と7つの項目からなるワイドコラボ協定を締結
することで、様々な分野での相互連携と協働による活動を推進
し、双方共通の思いである「豊かな地域社会の活性化」「都民

サービスの一層の向上」を目指していく。
【東京都との連携項目】
(1)健康増進に関すること
(2)文化及びスポーツ振興に関すること
(3)防犯・見守りボランティアに関すること
(4)環境に関すること
(5)ライフ・ワーク・バランス及び女性の活躍推進に関する
こと
(6)中小企業支援に関すること
(7)その他、地域社会の活性化及び都民サービスの向上等に関する
こと
※ワイドコラボ協定:東京都は都民ファーストの視点に立った都政
運営を、効果的かつ効率よく進めていくために、企業等が持つ様々
な資源を活用することとし、企業等と複数の政策分野にまたがって
包括的・横断的な連携・協力を行っていくこととした。東京都はこう
した協定を、「ワイドコラボ協定」と命名している。

2017.03.23
第一生命グループ 日本調剤㈱と提携

【週間の動き】3月4集(生保版)

健康を促進する保険商品の開発・提供へ

 第一生命、ネオファースト生命は2月20日、日本調剤株式会社(以下、日本調剤)と同日付で
業務提携契約を締結したと発表した。
 この提携は三社の有する顧客向けサービスや営業基盤を相互に活用し、それぞれの顧客に対して
新たなサービス、保険商品を開発・提供することで、国民の健康寿命延伸を共に目指していくこと
を狙いとしている。大手生保グループと大手調剤薬局チェーンの提携は初めてとなる。
 保険商品・サービスを通して顧客の健康増進を促進する第一生命グループと、店舗での服薬
指導や健康相談などを通して患者の健康増進を促進する日本調剤はともに国民の健康寿命延伸に
向けて取り組み、今回の提携で、この取組みをより幅広く加速させ、人々の暮らしと社会へ貢献
していく考え。
 さらに、営業基盤・スマートフォンアプリ等の顧客インターフェイスにおけるコラボレーショ
ンや、双方のノウハウを活用した健康寿命延伸に資する新たな保険商品・サービスの開発等を
検討・実施していく。なお、同提携では各種関連諸法規の遵守はもちろんのこと、医療倫理に
則った取組みを行っていく。
 第一生命グループでは、2016年1月から、生命保険事業のイノベーション創出に向けて、
昨年から“InsTech(インステック)”の取組みを開始。この取組みでは、他業態と連携したエコ
システムの実現等も視野に、外部の知見やデータ、アイデアを活用しながら、生命保険業界全体
のイノベーションをリードしていくことを目指している。その一環として、ネオファースト生命
では、第一生命が有する約1,000万人の顧客情報を含む医療ビッグデータ等の解析を行い、
顧客の健康増進の促進・支援につながり、健康寿命の延伸に貢献できるような新しい商品の開発
を進めている。
 日本調剤は調剤薬局チェーンとして唯一全都道府県に計557店舗を展開し、約2万3,000
名の薬剤師が、年間約330万人の患者に対して調剤業務を行っている。また、「日本のかかりつ
け薬局」をめざし、健康増進・重症化予防への様々な取組みを実施している。なかでも、電子薬
手帳で「お薬手帳プラス」アプリを独自に開発することで、先進的なテクノロジーを活用した患者
への服薬遵守(アドヒアランス)(※)に向けた支援を行っている。
 また、各薬局店舗は、健康への関心を高めることを目的として、肌年齢測定や骨密度測定、簡易
血液検査など、自身の現在の健康度をチェックすることができる健康イベントを定期的に開催して
いる。さらに昨年12月からは、一部の店舗内に、特設コーナー「健康チェックステーション」(※)
を設け、血糖値や体脂肪などの健康チェックや健康相談を開始し、今後、順次、設置店舗
を拡大していく予定にある。
(※)服薬遵守(アドヒアランス)とは:患者が主体的に処方通りの適切な服薬管理を行うこ
 と。アドヒアランス向上に向けて薬の専門家である薬剤師が的確なサポートを行うことで、
 効果的な薬物療法や重症化の予防へとつながる。
(※)健康チェックステーションとは:昨年10月に厚生労働省から発表された「患者のための
 薬局ビジョン」において示された「健康サポート薬局」は、地域の医療サービス拠点である
 薬局の役割として「かかりつけ薬剤師、薬局」の基本的な機能に加えて、国民による主体的
 な健康の保持・増進を積極的に支援する機能として「健康サポート機能」を求めている。
 日本調剤では、国が示す「健康サポート機能」の強化を目的として、2016年12月1日
 より、東京都、神奈川県の3薬局において、健康に関する相談業務を行う薬局内施設「健康
 チェックステーション」を開設した。今後、より地域に役立つ「健康サポート機能」を持つ
 薬局店舗を順次全国に拡大していく。

2017.03.15
スマホ新サービス記念説明会&パネルディスカッション開催

【ニュース】3月3集(生保版)

ライフネット生命

~AI×スマホ×生命保険 現状と未来~
 ライフネット生命は2月10 日午後2時から、東京・丸の内の三菱ビル内、丸の内コンファレン
ススクエアエムプラス1階「サクセス」において、スマホ新サービス開始記念説明会&パネル
ディスカッション「~AI×スマホ×生命保険 現状と未来~」を開催した。
 第1部では、岩瀬大輔社長が「スマホサービスへの取組み」説明を行った。始めにスマホや
AIを活用した海外の保険会社における最新の契約の手法等について紹介したあと、同社のス
マホの申込割合をみるとPCを上回り過半数に達していること。その背景には法改正により、
書類提出が不要となりスマホ申込者の6割が本人確認書類を撮影して画像提出していることと
し、現在、スマホで申込みから支払いまで行うのはライフネット生命だけであることを強調した。
 昨年3月には医療保険の請求手続きがペーパーレスでオンライン完結し、請求連絡や必要書類
はスマホで完結することとなり、従来の請求手続きでは支払いまで診断書取得や書類記入、投函
等で平均43日であったのが、最短3日で着金することができたことを報告。なお、同社は診断書
を原則不要にして、診療明細書の提出や郵送を省略、スマホ等でのアップロードで完結すること
で、迅速に顧客の口座に着金し、喜ばれている旨を語った。
 昨年の熊本地震(4月16日発生)において、5日後に顧客から郵便局が稼働していないため
請求書類が送れない連絡を受け、画像提出サービスを案内した結果、同日夜に画像が到着、6日
後に査定、9日後に口座に着金したことを紹介した。
 昨年7月にはLINEを活用した保険相談サービスを開始し、更に本年1月からチャットボット
導入によるサービスを拡大して、新たにFacebook Messengerにも対応し、自動応答×コンタクト
センターでの有人対応としてのハイブリッド型のサービス体制となったことを報告。
 第2部は、岩瀬社長の司会でLINE株式会社上級執行役員の田端信太郎、森・濱田松本法律
事務所の増島雅和の両氏をパネリストに迎えて、記念パネルディスカッション「AI×スマホ×
生命保険が実現する未来」を実施。
 スマホは一層変化を遂げていくこと、AIを活用した健康状況に応じたリスク細分型商品の誕
生、インシュアテックを考える際に、AIの活用による事務処理の正確さ・早さを追求していく
こと、健康で長生きを望むニーズを担うビジネスと連携することが大事な視点になることやスマ
ホを使った今後の生保ビジネスの姿などについて論議を展開した。

2017.03.09
在宅医療・介護保障に一層注力を

【主張】3月2集(生保版)

 少子・高齢化の進行する中にあって、社会保障制度の在り方も変革が求められてきている。
今回は、在宅医療および介護保障に関わる生保業界の担う役割について考察する。
 今回のテーマを取り挙げたのは、去る1月26日夜半のテレビ東京『カンブリア宮殿』で放映
された「我が家で安心して最後を…スーパードクター在宅医療革命」を契機としたものである。
同番組では、東京・板橋区を拠点とした在宅医療機関において、管内の高齢者が安心して自宅で
死を迎えられる医療サービスを提供する姿を映し出していたが、その場面を見た限りでは、単身
世帯の高齢者であっても安心した表情で医師の診察に身を委ねていた様子が窺えるところであった。
 2025年問題を契機として、後期高齢世帯が増えることが確実視されている。そこでは社会
保障給付費の急増が想定されているが、これに歯止めをかける施策として打ち出されたものが
「健康寿命の延伸」であり「在宅医療の推進」と考えられる。
 前者については、大手生保を始め複数の会社においてビッグデータの収集や研究機関との提携、
海外先行会社との提携等による新商品開発を進めている。生保業界として、この分野への貢献する
ために、「健康増進保険」の誕生を待ちたいところである。後者については、生保業界初の在宅
医療保障を組み込んだSBI生命の終身医療保険「も。」がこの分野の公的保障を補完するもの
として役立っており、1月末には在宅医療検索サイトとの業務提携により、その普及に努めて
いる。現在、厚生労働省では「在宅医療会議」を開催し、その推進に向けた審議を重ねている。
今後、在宅医療の拡充に伴い、業界各社でも即応した保障を整備必要がある。それにより、在宅
医療への認識が高まることになろう。
 「介護」については、現在生保業界では十数社が介護保障商品を発売している。それぞれ公的
介護保障制度に連動した保障を提供しているが、契約者にとってより使い勝手の良い商品とする
ために、保障条件となる要介護度への弾力的な措置を期待したいところだ。また、患者数が急増
すると想定される認知症を対象にした商品は太陽生命の「ひまわり認知症治療保険」と朝日生命
の「あんしん介護認知症保険」の2商品が発売されている。未だ発症原因が究明されていないと
される状況の中で、“万一の備え”に対するシニア層の関心も非常に高いという。
 加入者としては、誰もが要介護状態にはなりたくないという共通した思いを持つ。それに応える
ために、販売会社は給付金の支払いだけで済ますことなく、加入者への予防運動の周知徹底などに
一層、注力してほしい。太陽生命の訪問サービス「かけつけ隊」は、シニア層の顧客ニーズに応え
るものとして高い評価を得ているという。これは、高齢社会での生保事業が顧客と対面し、信頼
醸成の上で成り立つことを示すものだ。同業各社としても参考とすべき事例となろう。 
 (石原)

2017.03.02
在宅医療クリニック検索サイト「いしくる」と業務提携

【週間の動き】3月1集

 SBI生命と在宅医療、訪問診療クリニックの検索サイト『いしくる』を運営するエムスリードクターサポート株式会社(以下「エムスリードクターサポート」)は1月30日、在宅医療分野での業務提携をしたことを発表した。
 同日より、SBI生命のウェブサイトに『いしくる』のバナーを掲載すると同時に、エムスリードクターサポートが運営する『いしくる』にSBI生命の終身医療保険「も。」のバナーを掲載するなど、相互に情報・サービスを提供する。また今後、双方で協力して在宅医療の認知向上、普及に向けて取り組んでいく。

■背景
 昨今、「2025年問題*」が差し迫るなか、入院医療から在宅医療への転換が必要とされている。SBI生命は2016年2月に、超高齢社会を見据え、在宅医療を保障する特約がつけられる終身医療保険「も。」を発売し、在宅医療に関する様々な情報の充実を図ってきた。なかでも在宅医療機関の情報へのニーズは日々高まっている。
 エムスリードクターサポートがサービスを提供する在宅医療メディア『いしくる』は、「“医師”が自宅に“くる”」をコンセプトにした、在宅医療、訪問診療クリニックの検索サイトである。今般、SBI生命とエムスリードクターサポートが提携することで、在宅医療における多方面の情報を、必要とする顧客へ速やかに届け、顧客のニーズに応えたいとの考え。
*2025年問題:2025年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、高齢患者が激増して社会保障費が膨張する問題のこと。

■提携の内容
①『いしくる』ウェブサイトのトップページにSBI生命の終身医療保険『も。』のバナーを掲載
②SBI生命のウェブサイトのトップページに『いしくる』のバナーを掲載
③エムスリードクターサポートが発行する在宅医療機関のMAP(足立版、約7,000部)にSBI生命の終身医療保険「も。」の情報を掲載

【エムスリードクターサポート株式会社】
 エムスリードクターサポートは、「医療機関経営支援」を目的に、2014年8月にサービスを開始。病院や診療所のニーズにマッチする新しいサービスを提供し、医療業界変革の推進に貢献することを使命としている。在宅医療分野では、患者への情報提供・多職種連携支援の在宅医療メディア『いしくる』(http://www.ishikuru.com)をプラットフォームとして、ワンストップで在宅医療機関を支援するインフラ作りに努めている。
○代表取締役社長:濵口慶太
○所在地:東京都中央区東日本橋一丁目1番7号 野村不動産日本橋ビル2階
○資本金:1億円(資本準備金含む)
○URL:http://3ds.co.jp

2017.02.23
日本生命 確定給付企業年金保険(無配当)を開発

【週間の動き】2月4集(生保版)

 日本生命は、確定給付企業年金向けの一般勘定新商品「確定給付企業年金保険(無配当)」
を開発し、この4月から発売する。同商品は、予定利率の下限が0・25%で、払戻等控除がな
いという特徴を備え、元本保証に加えて、安定的にプラス利回りを確保できる。このため、現
在の国内の歴史的な低金利環境下における安全性資産としてふさわしい商品となっている。

〈「確定給付企業年金保険(無配当)」の主なポイント〉
【ポイント①】
 予定利率は0・25%を下限とし、国債利回りに応じて変動する。
【ポイント②】
 払戻等控除はない。(※1)

(※1)払戻等控除は、年金資産を所定の払戻事由により引出す場合に、所定の額を年金資産
  から控除する仕組み。
(※2)手数料率は引受額に対して一律0・15%。また、同社が単独または(総)幹事会社も
  しくは副幹事会社となる場合には、別途、制度管理手数料を負担してもらう。なお、消費
  税(地方消費税を含む)は別途受ける。

1.商品開発の背景
 不透明な経済環境を受け、企業年金の資産運用では、リスク性資産の圧縮が進んでおり、今
後、安定運用ニーズの更なる高まりが見込まれている。
 一方、現在の低金利環境下では、国債の利回りが大幅に低下するとともに、予定利率1・25
%の保証がある現行の一般勘定商品について、新規の引受けが困難な状況が続いている。
 そこで、顧客の安定運用ニーズに応えるため、生命保険会社ならではの強みである元本保証
を有した同商品を開発した。
2.安全性資産としての特徴
 同商品は、元本保証を有するため、低金利環境下における安全性資産として、ふさわしい商
品であり、国内債券の代替運用としても活用できる。
3.留意事項
 同商品は、クレジット資産等で運用しているため、市場における投資可能量や利回り等に応
じて、引受可否や引受額の上限を判断する場合がある。
 また、引受けにあたっては、最低引受額(1億円以上)等の取扱条件がある。
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